よく占い師が「ChatGPTに占ってもらったけど、全然違うこと言っている!使えない!」と言ってる方がいますが、これは生成AIの性質上仕方がない部分だったりします。ということで、今回はその辺のお話を書いていこうかなと思っています。
> [!info]
> この記事は生成AI占い補助ツールの紹介記事(前編)となっています。2025/12/31 現在、ツール紹介の記事(後半)の執筆はしていません。そのうち書きます。
>[!warning] 正確性について
> 生成AIの説明はすごくざっくりした解説になっています。そのため、一部正確性・表現が怪しく感じる箇所があるかもしれません。私なりに調べて書いてはいますが、もし「ここがおかしいかも」という箇所がありましたら、ご連絡ください。
## なぜ生成AIが作った西洋占星術の鑑定書はデタラメが多いのか
大まかな原因は主に2つ。
1. 生成AIが計算するのではなく、過去の学習データをもとに予測してそれっぽい答えをいうだけ
2. 画像の記号・ホロスコープの図形や西洋占星術ルールを安定して読み取れない
### 過去の学習データをもとに予測してそれっぽい答えを言う
生成AIは大量の文章から学んだ「言い回しのパターン」を使って、次に来そうな言葉を生成しています。
例えば「ワンピースについて教えて」って言うと、過去の学習データの頻度や重要度によって「あ、この人はアニメのワンピースについて聞いているのかな?」と予測して、それっぽい答えを返します。
しかしここで「この春おすすめのワンピースを教えて」って聞くと「あ、この人は服のワンピースのことについて聞いているな?」と解釈して、服のワンピースの話を「文章を生成しながら」返します。
これと同じように、「西洋占星術で1990年1月1日の人を占って」と言ってしまうと、「西洋占星術で占ってほしい」ことまではわかるんですが、複雑な天体計算を正確に行う機能は持っていないため、もっともらしい文章を作ってしまうことがあります。(ハルシネーション)
そのため、生年月日でほぼ特定できる太陽星座(星座カスプに近い人は間違える可能性あり)以外の惑星は、度数やハウス、アスペクトまで含めた正確さを保証できません。
### 画像の記号・ホロスコープの図形やルールを安定して読み取れない
これはホロスコープの画像を渡すタイプで多いです。生成AIは画像を読み取って「あ、これはホロスコープっぽい画像だな」という判断はできても、「この線は120度(トライン)で、火星と土星を結んでいる」といった「ホロスコープの意味を読み取る」動作に関しては安定しません。
ソフトや設定によって線の色・線種・表示ルールが違うので、それらの前提情報(どのソフトのどの設定か、何色が何のアスペクトか、オーブの設定はいくつか等)を細かく渡してようやく「当たるかもしれない」程度。しかも、間違ってもそれっぽく断言できてしまうので、外れに気づきにくいのが厄介です。
そう考えると、「実用性がほぼ0に近いから、推奨はできないな……」と思える確率です。
## 解決策:ホロスコープ計算は他のツールで行う
じゃあどうすればいいのか。解決策は簡単で、「ホロスコープ計算はPythonなどのプログラムで行う」ことです。下記の3ステップを行うことで、デタラメ鑑定書を作る確率がグッと減ります。
1. ホロスコープ計算をプログラムで行う
2. 1で出てきた占い結果(テキスト形式)を生成AIに渡す
3. 占い鑑定文を生成してもらう
### 1. ホロスコープ計算をプログラムで行う
幸いにも、ホロスコープの計算を行うライブラリがあるので、それを使っていきます。
- [swisseph(C)](https://github.com/aloistr/swisseph)
- [pyswisseph(Python)](https://github.com/astrorigin/pyswisseph)
- [weph-wasm(JavaScript)](https://github.com/ptprashanttripathi/sweph-wasm)
- [php-sweph(PHP)](https://github.com/cyjoelchen/php-sweph)
え、プログラムなんて書けない?ご安心ください、実はもうこれらのライブラリを使って公開してくださっている方がいます!!!
- [Astro-Seek](https://www.astro-seek.com/) の機能の一部
- [無料精密ホロスコープ作成・AI占星術師アオポン](https://aihoroscopeanalysis.com/)
- [Chart for AI](https://chart-for-ai.smooth-pudding.net/)
- [占星術計算ツール](https://astro-tool-nine.vercel.app/)
これらのツールは、「ホロスコープの計算結果を文章で出力する」ツールになっています。文章で出力するって言うのがミソで、そうすることで生成AI側がホロスコープを理解する確率をグッと増やすことができます。
出力結果のイメージは、下記のリンクにあります(私のホロスコープ)
- [[マイホロスコープをリスト化する]]
### 2. 占い結果(テキスト形式)を生成AIに渡す
占い結果テキストをコピーし、相談内容とともに渡します。上記のツールの中にはプロンプト(生成AIに指示する文章)も入っているので、自分でプロンプトを考えなくても大丈夫なやつもあります。
### 3. 占い鑑定文を生成してもらう
送信したら、自動的に鑑定文が作成されます。
#### 余談1:鑑定文生成時のハルシネーションに気をつけて
実は、ホロスコープの結果を出力する際にも「それっぽい、ウソの文章」を吐くことがあります。計算をさせずに占ってもらう時よりも、それっぽい文章を吐く率は少なくなっていますが、100%正確な文章を吐いているとは言い切れません。
必ず、実際のホロスコープデータを見ながら、正確性を確認しましょう。
#### 余談2:生成AIのモデル次第で「それっぽい文章」は減る
「それっぽい、ウソの文章」をつかないようにするには、「生成AIのモデルの出来」も確認したいところ。
無料版だとそれなりの確率でウソをつきますし、有料版でも下記の条件で精度が変わります。
- Thinking(推論)を使っているか否か
- 同じ有料版でもGeminiよりもClaude/ChatGPTの方が精度が高い(個人的な体感)
個人的には「ChatGPT5.2 Thinkingモデル」がお気に入りです。この辺の好みは人によって違いますが、参考にしていただけると幸いです。
## 最後に
最初は「このツールとってもいいよ!」と言う主旨で書く予定でしたが、思いの外ボリュームが大きくなったので、一旦ここで終わろうと思います。次の記事で、ツールの紹介(特徴とか)をしていこうと思います。
## リンク
- [[マイホロスコープをリスト化する]]
- [swisseph(C)](https://github.com/aloistr/swisseph)
- [pyswisseph(Python)](https://github.com/astrorigin/pyswisseph)
- [weph-wasm(JavaScript)](https://github.com/ptprashanttripathi/sweph-wasm)
- [php-sweph(PHP)](https://github.com/cyjoelchen/php-sweph)
- [Astro-Seek](https://www.astro-seek.com/)
- [無料精密ホロスコープ作成・AI占星術師アオポン](https://aihoroscopeanalysis.com/)
- [Chart for AI](https://chart-for-ai.smooth-pudding.net/)
- [占星術計算ツール](https://astro-tool-nine.vercel.app/)